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2000年1月21日(金)
05:00 起床

07:00 出発

07:30 夜明けのアンバリッド

・時差調節できず、またまた、早朝起床。腰痛も大丈夫そうだったので、アンバリッドが6時から開いているので、ここをスタートに。メトロ「アンバリッド」駅で下車。午前7時30分。夜明け前どころか、深夜の感じ。コンパスを持ってこなかったため、方角も不明。路上は、人の気配もなく、うす寒い。幸い、AIR FRANCEのオルリー空港行きバスの待合があり、時間調整。よく見れば、路上に大きな周辺地図がある。ラッキー。「ボアラ・イシ(あなたは、ここにいる)」(現在地表示)がわかる。
・公園を抜け、道路をわたると、アンバリッドの敷地。門までのアプローチは、手入れの整った樹木が並ぶ。「ストップ」の道路標識と3人の守衛が門を固める。「ピュイジュ、アントレ」か「ピュイジュ、ビジテ」かどっちで話しかけようかと迷いつつ、「ボンジュール。ピュイジュ…」と話しかけると、守衛の方から、「アーントレ」と合いの手をいれてくれたうえ、片手を半回転させ、中へ招き入れるポーズをとってくれた。
建物に進む。大砲が並べてある。中庭をはさんで、回廊の柱列の間から、特徴的な円形の屋根を仰ぎ見る。柱と柱の間隔の中央に、円形の頂点を置くことができるシンメトリーの典型。薄明かりが射してくる。まわりには、誰もいない。静謐。一人でこの空間を占有している。この気分は、日本語では、「敬虔な」という表現がぴったりだと自己満足の極致にはまる。
・アンバリッドを後にして、ロダン美術館に。ところが、開館が9時30分。まだ1時間もある。先に進む。アンバリッドの東一帯は、官庁街。パリの霞が関。写真は、「公職省」と「農林省」。農林省の入り口には、タイムカードの機能があるのだろうか、日本の自動改札のような設備がある。
・カードのお店「マグナ・カルタ」。イニシャル入り封筒を買う。品のいいおばさんをショット。「ピイジュ・カメラ?」と尋ねると、こんなおばさんの写真を取ってくれるのと不思議そうに、かつ、まんざらでもなさそうなふうに「モワ?」。「ウイ」とデジカメ

10:00  ル・ボン・マルシェ

・歴史ある百貨店。吹き抜けとエスカレータが贅沢。
・紳士もの売り場に、グッチはじめ、ブランド物のネクタイ売り場で品定め。200Fから300F。500Fも。グッチは、なぜか黒のモノトーンのものばかり。記念に、自己使用用にランセルのもの1点を購入。
・書籍売り場で、日本のガイドブックを探す。書棚3面ほどを使って、各国のガイドブックが並べられていた。さすが、アフリカものが多い。ジャポンは、4冊あった。ちなみに、セネガルも同じ量。当然のことながら、極東アジアは、アフリカより遠い。日本観光1冊を勉強用に購入。大阪では、うどんのIMAI(今井)を紹介している。あと道頓堀「かに道楽」のカニの巨大看板の写真。
おみやげ用にと思っていた、 聖母マリアの奇跡のメダルを販売するル・ボン・マルシェ前のサンヴアンサン・ド・ポール教会は、閉門していた。

11:00 マイヨール美術館。

・マイヨール美術館。カルト・ミュゼで入ろうとするとダメ。(私設の美術館)せっかくなので、入場料払う。私設の美術館らしく、瀟洒なつくり。アルマーニじゃないかと思ったスーツをびっしり着こなすおにいさんの館内の監視員がとなりの部屋にうつったとき、写真とったところ、すかさず、「あなた、カメラとりましたね、フラッシュ禁止です(と聞こえた)」ときっちり注意された。
・作品は、マイヨールらしい、ホワッとした温かみを感じさせる太めのモデルが多い。マイヨール以外の作品もあり、特に気に入ったのが、Camille Bombois (カミュ・ボンボワ)による、たいそうなオデブさんのスカートと太股を、床からの視線で描いた、1935年の絵。
・地下にセンスのいいカフェ。レプリカかもしれないが、さりげなく、ジャコメッティをカウンターに置いている。パテのサンドイッチとショコラショ(ココア)を注文。木製のポットと長さ30センチメートルに及ぶ木製のハサミが、テーブルに置かれる。木製のポットには、ピクルスがたっぷり。巨大ハサミで、ピクルスをすくい上げ、パテをはさんだバゲットのサンドイッチのパテの上にのせる。バゲットは1本分をカット。ショコラショもポット入りが出されたので、2杯分はタップリ。シンプルながら、ピクルスもたっぷりいただけ、満腹。
      

13:00 サンジェルマン・デプレ

・マイヨール美術館から西に通りを横切ると、角にケンゾー・オムのお店。この通(赤十字広場まで)もブランド店が並ぶ。リセの向かいのバック店で、手頃な値段のポシェットを購入。
・足腰のハリを軽減するため、歩くスピードを意識的に落とす。カフェその他で、できるだけ、腰掛ける。こざっぱりした「サロン・ド・テ」で頼んだ「カフェ・クレーム」に満足。
・サンジェルマン・デプレ教会を出て、すぐ南側に、犬のストリート・オルガン。献金してから、写真
・サンジェルマン大通りのディドロの像の前で停車していたデズニー映画「トイ・ストーリー・2」の宣伝自動車。
中世博物館(旧クルニュー美術館)入館。タペストリーが揃っている。暗黒の中世にあって、奇跡的な造形。
・足が限界。三大美術館巡りと広大なランジス市場歩きが、ずっしり応える。あと少しで、「ショショト」だというのに、ギブアップ。ホテルへもどり、しばし、ベッドに横たわる。帰りの荷物を持てるだろうか。
                                        
16:00 ラ・ビレット

・ホテルの南一帯は、公園。北の端に、科学技術博物館
ジオード。南の端には、音楽博物館。
・科学技術博物館は、ポンピドーセンターに劣らない巨大施設なので、足腰の負担から断念。ジオードは、全天周の映画館なので、座って見れる。そろりそろりと足を運び、次回上映分のチケを購入。待ち時間を利用して、文字通り「陸に上がった」もと現役潜水艦に乗船(25F)。英語のガイド・フォンを手渡してくれる。英語ガイドが、わかるわけではないが、「コウベ」にも入港したらしい。こんなところで、潜水艦に乗りこめるとは。
                  
17:30 ジオード

・日本にもいくつかできている、全天周の映画館。
「海と老人」のポスター。3本立て。1本めは、アクロバット飛行。2本めは、ヘミングウェーの生涯のメイキング・ストーリー。スペイン戦線の戦争シーン。闘牛シーンが圧巻。3本めは、まさに、「海と老人」。ただし、アニメ版。

19:20 CASINO

・前日ホテルへ戻るとき、メトロの出口を間違えて、遠回りしたのおかげで、「CASINO」の看板位置がわかる。到着時みたとき、カジノかなぁ、何だろうと思った「CASINO」は、スーパーであることが、ガイドブックでわかったので、買い出しに。               
・こちらは、ダイエーなみの巨大店。商品陳列もほぼ日本と同じ。(もともと本家はアメリカか)
・肉はパック売りながら、魚、野菜果物は、量り売り。残念ながら、ちょっと手をだせない。「殻つき牡蠣」が、上面ラップの薄板箱入り(10個入り・29.9F)で、かつ、殻を開ける金具もセットになって売っていたので、いったん籠に入れるも、前日来の歩き疲れで、相当体力を消費していることを考え、「あたる」危険を懸念して、断念。陳列棚に戻す。ちょうどシーズンなんだけど。 ビールと「バイアンデ・グリソン」(かための生ハム)とシェーブル45%含むと表示されたチーズ「Perigold」を買う。
・レジに並ぶ。重たいものを運んでいるわけではないのに、足のハリが、腰にくる。立っているのも、つらい。「歳を考えな」と反省。レジの店員は、黒人女性。隣の店員は、日本人とみえるが、もちろん、フランス語。コンベアに商品を並べる。私の籠をさして、黒人店員は、もどす位置を指さし指示してくれる。レジの前に、籠を返さないといけない。このスーパー店は、ビニル袋がタダ。要求前にレジ打ち後の商品の上に、投げ入れてくれた。

21:00

・ホテルのレストランで夕食。もう、日本人宿泊客もいず、他にもスペイン人の女性客ふたり組しかいない時刻で、スペイン語、日本語、フランス語ごちゃ混ぜのムシューが「トモダチ・トモダチ・アミーゴ」と、いろいろと相手してくれる。精神的には、ゆとりあるもの、肉体は、疲労困憊の淵。痛みどめの持ち合わせないので、風邪薬で代用。腰痛が直るのを祈る。