FIN

2000年1月23日(日)
07:30 出発
08:00 サクレクール寺院
 出発の日の朝、ホテルのチェックアウトまでの時間の過ごし方を思案。
 アンバリッドの夜明けの体験をもう一度したい。今日は日曜日。
  日曜日の朝といえば、教会。
  教会といえば、ポンピドー・センター6階からみた市内のながめでひときわめだった、モンマルトルの丘のサクレクール寺院。メトロも慣れてきたので、戻る時間も計算できる。サクレクール寺院に行くことに決める。
 サクレクール最寄り駅にいく途中、はじめて、地上高架のメトロ路線も経験。
 アンバリッド行きと同じく、夜明け前に到着。観光客の姿は、ない。カフェもしまっている。人の流れはないけれど、ここは丘。上り下りがあるので、道に迷うこともない。腰痛が復活しないように、ゆっくり、丘の階段をのぼる。
 頂上の寺院の前から、夜明けのパリ市街を眺めて、寺院の中へ。
 礼拝の席にすわる。先客は、10人程度。皆、席にかかみこんで、お祈りしている。
 音源はわからないが、ドームで反響している、微かな音響を体で感じる。冷厳。

 日本語含む各国言葉で、「どの国の通貨でも結構です」と、維持補修費用の寄付依頼のスペースがあり、奮発して、賽銭箱に夏目漱石1枚を投入。

 教会をあとにする。あちこち、おとずれた思い出にひたりながら、曙の空のもと、パリ市街を写真撮影。

 写真撮影終了して、さて、丘を下るか、と歩きだしたところ、男性にbonjour と呼び止められる。ラテン系の若い男。コートの中に手をいれ、なにか取り出そうとする。なぜか、ピストルかなにかで恐喝される危険を感じ、身構える。
 なんのことはない、取り出したるは、煙草。100円ライターを貸す。
 のぼってきた、ロープウエーにそう階段を下りると、男も下りてくる。男には、ツレがふたりで計3人。ラテン系の男は、私に、「中国人か日本人か」、「英語・仏語か、しゃべれるか」、「カメラをとってやろか」、としきりに話かける。ピストル煙草の恐怖が残っていたので、相手にしていないと、男は、すっと先におりる。立ち止まって、横をみると、ツレの一人が並んでいる。ふりかえると、もうひとりのツレが、5段ほど後ろで、私にペースを合わせるかのように立ち止まっている。先頭の男が、ふりかえって、その視線は、私と私の横にいるツレの男に注がれる。
 なにやら、あやしい。
 3人は、私を包囲しているのではないか。
 ロープウエーの駅から離れれば、他人の目撃は、とぎれる。新婚旅行で訪れたとき、同行のカップルがオイハギの手にかかりかけた体験が、頭をよぎる。ここは、いっしょに降りないで、教会に駆け込むのが、得策と判断。階段を何気なく登り、教会に戻る。
 ミシェランの地図で、迂回道を確認して、下山する。カフェも開店したくにはいっている。一安心。とたんに、路傍で「ピッピ」する。
 ひとり旅には、くれぐれも注意。
 たったひとつのの苦い思い出が、ボンボヤジュをだいなしにする。

11:40 ホテル発
 往路をなぞるように、バスでシャルル・ドゴール空港-ロンドン・ヒースロー空港乗り継ぎ-関空へ。ヒースーロー空港の乗り継ぎ待ち時間、フランもポンドも手持ちなしで、カード使用にチャレンジ。たばこ・アルコールなど、日本で手にはいらないものを購入。たばこもアルコールも免税品といっても、今は、日本の価格が安いので、免税のメリットは、うすい。
  ペンギン・ボトルのお酒
  リフレッシュ休暇もFIN。 現世に、アントレ(entre)。